国税庁は新型コロナウイルス感染症の影響による、飲食店の売上減少に対する対策として、飲食店で提供しているお酒を持ち帰り用に販売することを認める特例免許を設定しました。6月30日までに申請をすれば、6か月の限定ですが、持ち帰り用酒類の販売が認められることとなりました。
ただ注意が必要なのは、お酒の販売に関する許可は様々な法律で細分化されており、本来お店の状況に応じた許可申請が必要であるということです。お店でのお酒の提供方法の違いにより、許可の提出先が変化することとなります。
お酒の販売に関する許可
1 お酒を店内で提供する際に必要な許可
食品衛生法上の食品営業許可が必要となります。(いわゆる飲食店の許可です)管轄は最寄りの保健所となりますので、事業開始前にお店の図面を用意して相談の上、許可申請が必要となります。
2 深夜に店内でお酒を提供する場合
1の飲食店の許可を持っているお店が、深夜0時以降朝6時までお酒を提供する場合は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届の提出が必要となります。いわゆる居酒屋は1の許可と、2の届出を行うことが一般的となります。提出先は所轄の警察署となります。
3 お酒の販売を行う場合
1,2のように店内でお酒を提供せずに、販売のみを行う際には、酒税法による酒類販売業免許申請許可申請が必要です。ちなみに店頭にてお酒を販売する際には「一般酒類小売業免許」ネット販売を行う際には「通信販売酒類小売業免許」の申請が必要となります。申請先は所轄の税務署となります。
今回の特例の位置づけ
先ほどの許可の分類で説明すると、1の飲食店のお店が、3の特例の免許をもらうことで、半年の限定でお酒の持ち帰り用の販売ができるということになります。ですので無条件にお酒の販売が認められたわけではないので、その点を理解したい上でお酒の販売を行って頂く必要があります。しかしそれぞれ趣旨が異なることは分かってはいるのですが、日本において何らかのビジネスを行う場合、複数の監督官庁の許認可を複数取得する必要があるケースがとても多いのですが、もう少し簡略化またはとりまとめをしていただくことはできないのかと感じているのは私だけでしょうか。
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