今現在日本では人口減少と高齢化が進行しており、これに伴って中小企業の経営者の高齢化が問題となっております。実際に様々な会社の社長さんと仕事で接していますが、会社は順調で、利益もあげているのに、後継者がいないために現社長の代で会社を閉めることを検討されているケースは少なくありません。
今現在日本においては会社、個人事業の「経営の担い手」の半分以上は60才以上となっており、後継者がいない場合、近い将来これらの会社が廃業していくことも考えられます。
中小企業のM&Aという選択
まだまだ活躍の場のある会社がこのまま減り続けていく状況を、何とかできないものかと以前から考えていたのですが、ある本を読むことがあり、規模の小さな中小企業でもM&Aにより事業を存続している実例があることを知りました。
M&Aというと、大きな会社が豊富な資金で会社を買収していくイメージがありましたが、中小企業の社長が事業を安心して引き継げるような後継者を探すという意味でM&Aが活用されているという実例も示されています。企業間でのM&Aだけでなく、サラリーマンがその経験を活かし、事業を引き継いでいくことも想定されており、買収の価格も100万円を切るケースもあるそうです。お金だけではなく、思い入れのある事業を引き継いでもらいたいという売り手社長の想いも込められているのでしょう。
M&Aで会社を引き継ぐメリット
あえて会社を新設せずに、中小企業を引き継ぐことのメリットはいろいろと考えられますが、私は特に経営資源をそのまま引き継いで経営を始められることだと思います。会社の経営には「人、モノ、金」が必要だと言われますが、これをそのまま引き継ぐ形で事業の継続ができます。特にノウハウや取引先をそのまま引き継げることは魅力ですね。
また引き継ぎ一定期間は社長に会社に残ってもらい、事業の承継がスムーズにいくよう支援をして頂くケースも多いそうです。他業種からの参入や、経営経験が少ない方の買収のケースでも安心して引き継ぎができます。
まとめ
ただ会社というものは先代社長の思い入れのあるものであり、多くの従業員さん、取引先さんに支えられて成り立っているものですから、あくまでこれらの方々に認めてもらえる状況になって初めて承継は成功すると言えます。その苦労は並々ならぬことであることは想像に難くないですが、その苦労を差し引いても、事業を引き継ぐことには大きなメリットや社会的意義があると思います。
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