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印鑑押印が電子署名に変わるか

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 日本の公的、私的な書類の内容を証明するために、長きの間「印鑑押印」が活用されてきましたが、昨今これを「電子署名」を活用していこうとする動きが出てきています。民間企業の内部決済、契約書等の書面での活用が多く認められていますが、この度法務省が取締役会での承認を電子署名を活用することを認めたことが注目を集めています。

法務省が取締役会の議事録作成に必要な取締役と監査役の承認についてクラウドを使った電子署名を認める。これまで会社法が容認しているかを明示する規定はなかった。新型コロナウイルスの感染防止策の一環で、署名や押印に関わる手続きを簡素にしたい経済界の要望を反映し、明確な方針を定めた。

出典 日本経済新聞 取締役会の議事録承認、クラウドで電子署名 法務省が容認

承認に印鑑押印は必要か

 今まで日本における書面の承認には、当たり前のように印鑑押印が要求されてきました。昨今のリモートワークにおいても、印鑑押印が必要な書類が一つでもあると、そのために出社が必要なケースがあり問題視されています。

 確かに日本には、個人、法人ともに「印鑑証明」制度があり、証明を有する人が、その登録されている印鑑を押印しているということをもって、本人の意思を確認するという制度がありますが、これに準じて押印自体に何らかの証明力があると妄信してきたところはあると思います。

 ただ承認手続きは印鑑でなければならないわけではなく、海外でがサインが利用されていますし、電子署名の活用自体に問題はないと考えられます。

 さらに契約の場面では電子署名を使うメリットがあり、契約書面では必要となっている印紙が必要なくなるため、手間、コストの削減に役立ちます。

電子署名の課題について

 ただこれらの手続では会社の機密情報、個人情報を扱いますから、ネットワークを介する以上セキュリティーの確保は必須となります。

 また電子署名で手続プロセスは簡略化されますが、仕事の内容自体も簡略化、形骸化されないよう注意です。例えば取締役会は、実際に役員が会議に出席し、議事について協議した上で、会社の運営が実現されるという大切な役割を担っていますが、手続が簡単に進むあまり、会議をしなくとも電子署名にて手続が勝手に進んでしまうということも起こり得るのではないでしょうか。

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