私は様々な会社様の許可申請に関与させて頂いておりますが、新規の許可、更新の許可に関わらず会社の許認可手続が、新型コロナウイルスによる影響を受けるのではないかと感じております。それは許可申請の審査期間が読めなくなるのではないかということです。
会社の許可申請の欠格要件について
日本において、事業を営む際には、様々な許認可を受ける必要があります。
例えば
- 不特定多数の方に中古品の売買を行う際には「古物業許可」
- トラック等で荷物を運ぶことで運賃を受け取る際には「一般貨物自動車運送事業許可」等があります。
場合によっては複数の許可を取得しなければ、営業ができない事業も存在しています。例えば先ほどの運送会社が、産業廃棄物を運ぶ際には「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
これらの許可申請手続を行う際には「欠格要件」というものを確認した上で許可が出ることが多いです。その手続ごとに役員が一定の条件(欠格事由)に当てはまると、許可の取得が認められないという「欠格要件」というものがあり、申請する会社の役員(個人事業の場合は代表者)全員の欠格事由の確認のため、役所等への照会(確認)が行われます。いわば許可を取得する会社の役員に、不都合な事由が無いか身体検査を行うというイメージでしょうか。
具体的な欠格要件の確認方法
多くの許可においては、主に以下の2つの事項の確認が行われます。
- 犯歴の確認(主に本籍のある市役所(役場)にて照会される)
- 暴力団関係者であるかどうかの確認(主に所轄の警察署にて照会される)
これらの欠格要件の該当者がいれば、申請は不許可となる可能性があります。
今後影響を受ける可能性
上記の確認作業において「犯歴の確認」が影響を受けるのではないかと危惧しています。新型コロナウイルスの感染者の発生により、市役所の全面休止という事態が生じてきており、照会作業が中断する可能性があります。
対策は講じられると思いますが、市役所全体の休止という事態になれば、許可の照会手続が滞ることとなり、許可の交付が遅れてくることも予測されます。特に既存の許可取得業者様は、更新手続中に許可が切れることも予測されますので、早めの許可更新手続の準備をお勧めします(恐らく何らかの猶予措置は講じられるとは思いますが・・・)
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